映画で描かれなかった『国宝』の話
ムラゴンブログでも大人気の映画『国宝』を観て以来、読みたいと思っていた原作、吉田修一「国宝」を読みました
映画では、歌舞伎の御曹司・俊介と、ヤクザの息子に生まれて歌舞伎役者となった喜久雄のふたりが中心でしたが、原作は登場人物それぞれの人生が丁寧に綴られて、まさに群像劇という内容でした
映画にあまり出ない喜久雄の舎弟・徳次もとても印象深い存在ですが、歌舞伎の世界を支える女性たちの強さと優しさが心に残ります
俊介の母・幸子(映画では寺島しのぶさんが演じていました)も、原作では喜久雄に対して温かく、ずっと支え続ける存在として描かれています
喜久雄の結婚や、隠し子・綾乃との関係も描かれていて、こちらもなかなかのドラマでした
読んでいて思い出したのが、歌舞伎座で見かけた奥様方の姿
昔、菊五郎さんの奥様・藤純子さんが、地味な色の上品な着物をさらっと着こなし、スッと立っていらしたのがとても印象的で、今も忘れられません
勘九郎さんの奥様・前田愛さんも可愛いけれどキリッとして
原作では歌舞伎の描写も多く、実際に観たことのある演目は情景が浮かびやすいのですが、知らない演目は想像が難しくて、そこは映像の方が伝わりやすいと感じました
吉沢亮と横浜流星という素晴らしい俳優さんが演じられたことも大きいですね
時間の限られる映画では、俊介と喜久雄の関係も愛憎的に描かれていましたが、原作ではふたりの間にはずっと信頼と友情があり、その複雑で繊細な心情の描写と芸の道を極めることの凄みに圧倒されます
新聞連載だったこともありとても読みやすく、一気に読み終えてしまいましたが、結末も映画と原作では違っていました
長崎、大阪、東京と舞台が移り、そこに生きる人々の人生が交差していく…
これは連続ドラマとしても観てみたいと思ったのでした^^
長々とお読みいただき有難うございました
このブログへのコメントはmuragonユーザー限定です。