柚木麻子『BUTTER』
柚木麻子さん原作の映画『私にふさわしいホテル』がとても面白かったので、著書も読んでみたくなりました
選んだ本は「BUTTER」
英書店大手のウォーターストーンズが2024年の「今年の1冊(Book of the year)」に選んだそうで、たくさん平積みされていました
他の候補作品がどれも人気作なのを押し除け、日本人で初めて選ばれたのは素晴らしいことですが、
「実在の“婚活殺人”を基に、現代の日本の性差別や女性蔑視を深く掘り下げている」と評されたことには恥ずかしい思いも…
フランスで早々に翻訳、アメリカでもベストセラー、ドイツ、スペインでも翻訳され、30数ヵ国で翻訳決定という人気だそうです
実際に起きた「首都圏連続不審死事件」を下敷きにしており、事件にはさほど興味がなかったものの、読み進むに連れて週刊誌記者である主人公と被告人とのやり取り、親友、恋人、家族などとの関係に引き込まれていきました
実際の事件でも話題になった美食も詳細に記述され、読んでいるとおなかが空いてきます
主人公と同様、被告人である女の主張に影響されそうになる怖さもあり…
日本女性は痩せ過ぎが多く、それでもまだダイエット志向なところなどハッとさせられるところも
(応援しつつ拝見しているブログにも、痩せ過ぎの弊害とBMI22が健康に良いことが触れてありました)
女性作家ならではの男性に対する違和感には共感を覚え、世界でも有名だという男尊女卑の国、日本での女性の生き方を考えさせられ…
中盤から最後にかけては行き詰まるような展開、最後には希望の持てる終わり方でとても充実した読後感でした
柚木麻子さん、すごい方です
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